広がる世界
小野 稜平
総合政策学部2022年度卒 / 政策・メディア研究科修士課程2024年度修了
所属:日本航空株式会社(2025年度現在)

いつからでも遅咲きはない
やりたいことがゴロゴロ転がっている——SFCは私にとって、まさにそんな環境でした。その中のひとつが「ドイツ語」です。履修を始めた頃はちょうどコロナ禍で、授業はすべてZoomでのオンライン。初めて触れる言語を、ほぼ一人で画面越しに学ぶのはなかなか大変でしたが、先生方やTAの方のサポートがとても手厚く、なんとか続けることができました。最初は食べ物や美味しいビール…という単純な興味から始めたドイツ語でしたが、学んでいくうちに、言葉の背後にある文化や歴史に触れるおもしろさに惹かれ、修士に進学してからも、そのまま学び続けていました。そんな中、「せっかくだから一度はドイツに行ってみたい」と思っていたタイミングで、理工学部主催の Keio–Aachen Spring School Program を紹介していただき、参加することができました。就職を見据えているのに、修士で留学??という声も周りにはありましたが、せっかくの機会、行ってみるしかないじゃないですか。アーヘン工科大学(Rheinisch-Westfälische Technische Hochschule Aachen)では、ドイツ語の研修に加えて、現地で日本語を学ぶ学生との交流やフィールドトリップなどもあり、ドイツ文化への理解を深めることができました。アーヘンは世界遺産第1号のひとつでもある大聖堂をはじめ、歴史ある街並みと大学などの現代的な施設が見事に調和したとても美しい街で、治安もよく、留学や観光にもおすすめです。また、Aachenはフランクフルト(FRA)やブリュッセル(BRU)、パリ(PAR)へのアクセスも良いので、旅行のついでに立ち寄るのも楽しいと思います。ちょうど就活シーズンでもあったので、時差に苦戦しながらオンライン面接を受けていたのも、今ではいい思い出です。



世界とつながっている”SFC”という環境
現在は日本航空(JAL)で航空機整備の仕事に携わっています。ドイツ語やドイツでの経験が直接生かされているかといえば、まだ「???」なところもありますが、学生時代に行けなかった国や地域に行く機会も増え、世界がぐっと広がりました。それでも、アーヘンでの数か月の暮らしや人とのつながりを超える経験は、今のところありません。当時知り合った現地の学生とは今でも交流があり、日本に来たときには案内したり、ヨーロッパに行くときはアーヘンまで足を延ばしたりしています。それくらい、自分の中で大切な時間になっています。

これからはその経験を生かして、「日本」という枠にとらわれず、世界と日本をつなぐ役割を担っていきたいと思っています。ドイツ語に限らず、SFCには“可能性”が本当にたくさん転がっています。SFCという場所自体が常に新鮮で、自由な発想を後押ししてくれる環境です。ぜひSFCから飛び出して、いろんな世界を体感し、自分なりの価値観を築き上げてください!
