見知らぬ土地の空気を吸い込んで
岡田 奈和実
総合政策学部2年(研修当時)
研修先:オッフェンブルク応用科学大学

2025年9月、ドイツ・オッフェンブルク(Offenburg)にあるHochschule Offenburgでの語学研修に参加してきました。
オッフェンブルクという地名を聞いたことのある方は少ないのではないでしょうか。研修で訪れる人も少ないフランクフルトからICEで約2時間半ほど、シュバルツバルトを背にするドイツ南西部の都市で、人口5万人ほどと小さいながらも歴史の残る素敵な町です。
参加を検討している皆様にとって、少しでも参考になりますと幸いです!
1. 研修についての情報
研修に行くまでのドイツ語勉強歴
2024年度春学期(1春):ドイツ語インテンシブG1履修
2024年度秋学期(1秋):ドイツ語インテンシブG2履修
2025年度春学期(2春):ドイツ語インテンシブG3、ドイツ語スキル(海外研修)履修
研修中の1日の生活
平日は毎日午前中(9:00〜13:00)に授業がありました。住んでいた場所が絶妙にバスの路線から外れていたため、毎朝30分歩いて大学まで行っていました(長く留学する子たちは自転車を買っていました)。
クラスのレベルはA1〜B2まであり、私が参加したのはA2のクラスです。雰囲気はSFCのドイツ語の授業と似ていて、テキストを使用しながらペアワークを挟んだりと程よくアクティブな形式だったと思います。全部ドイツ語で授業をする先生もいれば、英語での説明を挟む先生もいました。
語学研修コースのみの参加では学食利用のカードが支給されなかったため、昼食は家から持参したり、学校までの道中にあるスーパーで買っていくことが多かったです。
平日の午後はFreizeit Programmを組まれていることが多く、町のガイドツアーやAfternoon Party、Movie Nightやワイナリーツアーなど、かなり充実していた方なのではないかと思います。次のセメスター交換留学から現地のSenior Serviceの方が運営・参加してくださるイベントもあり、ドイツ語を実際に使いながら現地の方と交流できる貴重な機会でした。プログラムがない日はまっすぐ家に帰り、家の近くのKauflandという大きなスーパーで買い物を済ませたり、家事や勉強をしたりしていました。ポーランドから来た学生とシェアハウスをしていたので、共用のキッチンでお喋りすることもありました。
休日の過ごし方
週末のプログラムはほとんど組まれていなかったため、コースで知り合った子達と食事をしたり、終了テストに備えて勉強をしたり、出かけたりすることが多かったです。中心部にはカフェや本屋などもたくさんあったため、外に出るだけでもいい息抜きになりました。夏だからか、アイスを販売しているお店がたくさんありつい食べ過ぎてしまいました(タンデムパートナーによれば、冬はグリューワインに取って代わられるそうです、なんだかすごくドイツ!)。
プログラムが始まって最初の週末は、インテンシブ3のタンデムプロジェクトで知り合ったタンデムパートナーに会うために片道6時間(!)かけてドレスデンへ!Marktの準備で慌ただしい街を横目に、土曜日早朝の駅に向かいました。途中でライプツィヒにも立ち寄りながらようやく到着。街中を案内してもらったり、一緒に美術館に行ったり。家にも泊まらせてもらい、色々な話をした時間は忘れられません。サマーコースでは現地の同世代と話す機会がなかったので、お互いが学習している言語でコミュニケーションしようとする時間はとても楽しく、豊かでした。
それ以降の週末も、コースの始めのウェルカムイベントで知り合った学生たちと出かけました。オッフェンブルクはフランスとスイスとの国境に近い街で、ストラスブールまで30分、スイスのバーゼルまで1時間というかなりの好立地です。言語はまちに対する新しい眼差しをもたらしてくれます。ドイツ語を学んだ状態で他の国を訪れたことで、それぞれの文化の交わりのリアリティを垣間見たように思います。また、様々な背景を持った人たちと訪れてみると、自分一人では絶対に行かなかったような場所に行けたり、新しい気づきを得ることができたりします。他の人とのつながりによって見ることのできた景色がたくさんありました。
Hochschule OffenburgのSommersprachkursについて
主に次のセメスターから留学を始める学生や、大学院への留学を始める予定の学生が参加しており(なので基本のコミュニケーションは英語になりがちです)、10代から50代までかなり色々な人が色々な国から参加していたのが印象に残っています。コース全体の参加者は50人ほどで規模が小さかったため、クラスの異なる学生とも交流できたのはとても良かったです。
コースに参加していた日本人は私含め二人でした。最後に日本人が参加したのは2年前とのことで、日本語を話さない環境に身を置きたい人にはおすすめかもしれません。ただ、私は英語もドイツ語もとても得意、とは言えないレベルだったので、もう一人日本人の学生がいたことで気持ち的にかなり救われていました。



2.研修体験記
参加のきっかけ
ドイツ語の学習は大学から始めました。『The Sound of Music』が好きで、小さな頃からドイツ語圏に漠然とした憧れを持っていました。また、高校時代にドイツ語で第九を歌う機会があり、親しみがあったことも後押しして履修を始めました。わくわくしながら学べるSFC のドイツ語の授業の雰囲気がとても好きで、気づいたらインテンシブ3まで履修。せっかくならドイツを存分に感じられる環境でドイツ語を勉強したい!と思い、海外研修への参加を決めました。
Offenburgを選んだ理由
オッフェンブルクを選んだ1番の理由はその立地です。フランス、スイス、オーストリアなど他にドイツ語が使われている地域にも興味があったため、他の国へのアクセスが良いオッフェンブルクの立地はかなり魅力的でした。また、海外研修への参加を決めた当時の私はモチベーションに満ち溢れていたため、日本人が少ない環境だったのも後押ししてここに決めました。実際に訪れたオッフェンブルクはほどよく小さな街で、ヨーロッパ特有の積み重ねてきた時間の厚みと今の人々との生活がともにあるような素敵な空気がありました。選んで良かったと思っていますし、また訪れたい街です。
9月の海外研修
夏にドイツ語の海外研修に参加するSFC の学生は、ほとんどが8月中のコースに参加している印象です。9月は8月に比べてコースを開講している大学が少なくなるため、選択肢が狭まるデメリットはあります。その一方で、ヨーロッパの夏から秋の移り変わりを肌で感じられること、秋のイベント(WeinFesや芸術祭、場所によってはOktober Fesなど)が開催されることは、現地の生活や文化を体験できるという点でかなり魅力的でした。また、SFC の授業期間と時間が空くため、準備に時間がかけられるのは嬉しかったです(その分ドイツ語は衰えがちですが、、)。
困ったことたち
準備はかなり余裕を持って準進めた方だと思っていたのですが、大学側がサマーコースのみの参加者受け入れに慣れていなかったからなのか、様々なトラブルがありました(現地の大学がコース料金の入金確認をしてくれるまでに1ヶ月かかる、寮のインフラトラブルで出国の10日前まで家が決まらない、必要のない住民登録を現地で求められるなど、、、😭かなりメンタルが鍛えられました)。不安も大きかったですが、現地との連絡など、ドイツ語研究室の皆さんに本当に色々なサポートをしてもらい無事に研修を終えることができました。困った時に助けを求められるのは、この機会を利用して語学研修に行くことのメリットだと思います。
参加を考えている皆さんへ
ここには書ききれないほど豊かな1ヶ月を過ごせたように思います。知らない土地で、知らない言語で生きる時間は、新しい自分との出会いももたらしてくれました。そして、海外研修の魅力はやはり、実際に言葉が使われている環境に身を置き、生活する機会が得られることだと思います。現地の空気に触れるなかで、学んだ言語が生きた言語に変わる瞬間の感動は何物にも代え難い経験になりましたし、言語や文化を学び続ける上での大きなモチベーションになっています。迷っている方はぜひ飛び込んでみてください!


