内部進学生の声 Vol.1

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言語の旅:オランダから始まる異文化とドイツ語の軌跡

三木 咲乃

慶應義塾湘南藤沢中・高等部2022年度卒 / 環境情報学部3年(2024年度現在)

 4歳の頃、親の仕事の都合でオランダに住むことになり、年中から小学校3年生までの4年間をオランダで過ごしました。帰国後、帰国生受験ができるところを模索し、最終的にはsfc中高に入学しました。大学進学の際は、理工学部学門Eと環境情報学部の選択に迷いましたが、生物だけでなく幅広い分野を学びたいとの思いから、最終的には環境情報学部を第一希望に選び、現在は先端生命科学研究会に所属しています。

通じ合うための言語

 幼少期、オランダでの学びの経験は私にとって大いなる刺激となりました。日本と異なり、多国籍な環境で恐竜や宇宙などの大きなテーマに触れ、古生物学者への憧れが芽生えた結果が今の生物選択に繋がっています。通っていたインターナショナルスクールではケニア、メキシコ、イタリア、インド、韓国などの多種多様な人達と巡り合い、初めは言葉の壁に悩まされましたが、英語を身につける過程で価値ある友情を築くことができました。当時を振り返ると、逆境に立ち向かう中で、言葉は学ぶだけでなく、使うものであり、どんなに拙い表現でも相手に伝える努力が重要だと気づき、コミュニケーションの重要性を痛感しました。

sfc中高でのドイツ語

 英語力を維持するために中学受験し、sfc28期として入学しました。sfc中高では通常高校3年生から始まるはずの第2外国語の授業が、私の代からは高校2年生(通:5年)から導入されることとなりました。6年の段階で一応言語変更が可能でしたが、私は5年に引き続き6年でもドイツ語を選択し、結果的に高校時代には毎週2時間のドイツ語学習を2年間行いました。

 オランダにいたのにオランダ語を話せないことによる若干の悔しさがあり、オランダ語と非常に似た響きを持つドイツ語を理解できるようになればオランダ語もわかるのではないかという軽い考えからでした。

 sfc中高でのドイツ語学習は、5年の段階ではコロナの影響でオンデマンド授業が主で、ドイツ語で数字を1から100まで数える録音提出や、オンデマンド授業の視聴、ワークシートに情報を入力して提出するなどの形で進められました。対面授業が可能になると、スピーキングに焦点を当てた1時間の授業と、文法などを中心にする別の1時間の授業の、連続2時間の授業を受けていました。

 この形式により、ドイツ語の基礎をしっかりと学びつつ、コミュニケーションスキルも重視された授業となっており、試験も筆記と口頭試験の両方があり、後に大学でのドイツ語履修時に大きなアドバンテージとなりました。

偶然の巡り合わせ:大学でのドイツ語

 大学では、2年間継続してきたドイツ語を深め、会話力を身につけるためにドイツ語を履修することにしました。言語相談会で教えていただいた資格認定試験を受験し、オンライン上でドイツ語で自己紹介やチャットでの問題に答えるなどのやり取りを経て、適切なクラスを計っていただきました。その際、少し上のクラスか少し下のクラスのどちらがいいかと選択肢を提示され、インテンシブ1と2の話をしているのだと思って少し上の方のクラスを選びました。蓋を開けてみればインテン3で登録されていて、インテン2と3の話をしていたことに後から気づきました。

 流れのままにインテンシブ3を履修し、その後SA(Student Assistant)が募集されていることを知り、ドイツ語に触れる良い機会だと感じ、少しやってみようかな、という軽い気持ちでSAになりました。しかし、気がつけばそれは私にとってのsfcでの居場所になっていました。sfcでは言語によってクラスが決まるシステムなのに飛び級したことと、サークルに所属していなかったことから同学年の友達が少なかったものの、SAを通じて新しい知り合いや同期との縁が広がり、今はドイツ語を介した偶然の良い巡り合わせに感謝しています。