


ドイツ中部テューリンゲン州に位置する文化都市ワイマールは、ゲーテやシラーといった文豪が活躍したドイツ古典主義の中心地として広く知られています。また、20世紀モダニズムを切り開いたバウハウス建築・デザイン運動が誕生した地としても世界的に注目されています。緑豊かなイルム公園と調和したこぢんまりと温かみのある街並みは、歴史と文化が静かに息づく独特の雰囲気を醸し出しています。
ワイマールは、第一次世界大戦後にワイマール共和国憲法が制定された場所として輝かしい歴史を持つ一方、ナチス時代の影も残しており、ドイツ史の光と闇が同居する都市でもあります。こうした複層的な歴史背景は、訪れる人々に深い印象を与えます。
見どころも多彩で、文豪ゲーテが晩年を過ごしたゲーテ・ハウス、その盟友シラーが暮らしたシラーの家をはじめ、2004年の火災から復元され、美しいロココ様式のホールがよみがえったアンナ・アマリア大公妃図書館、モダニズム思想の源流に触れられるバウハウス博物館などが挙げられます。また、街の象徴ともいえる国民劇場とその前に立つゲーテとシラーの像は、ドイツ文化史を語るうえで欠かせない存在です。さらに、郊外のエッター山にはナチス時代の負の遺産であるブーヘンヴァルト強制収容所跡があり、過去を記憶し続ける場として多くの人が訪れます。
近郊には、中世の商都としての面影を残すチューリンゲン州都エアフルトや、光学機器メーカー・カール・ツァイス創業の地として知られる大学都市イェーナ、ルターが聖書翻訳を行ったヴァルトブルク城のあるアイゼナハなど、個性豊かな街々が広がっており、ローカル鉄道で容易にアクセスできます。